the Flying Keg
World Beers


CHIMAY
(Rood/Wit/Blauw)
シメイ
(レッド/ホワイト/ブルー)

醸造所:ノートルダム・ド・スクールモン修道院


エイノー州の南、フランスとの国境近くにある修道院で作られているビール。
広大な森の中に修道院と農場があり、生産量は他のトラピストビールと比べて多く、ヨーロッパ以外にも結構輸出されているので、そういった意味では一番有名なトラピストビールかも知れません。修道院の正式な名は、ノートルダム・ド・スクールモン修道院。1850年の設立で1860年にビールの醸造をはじめ、すぐさま一般に売り出しました。修道院で醸造されるビールの中で、最初に市販されたのがこのシメイで、トラピストビールという呼称を使って売り出しました。

これだけの説明ですと、商売上手で修道院としてはあまりよいイメージではありませんが、このビール販売の成功のおかげで、今ではこの修道院(醸造所)で 働く人も多く、町の経済にも一役買っています。

ベルギーは古くからビールが生活と深くかかわりを持つ国で、ただ単に飲む目的以外に、ビールで肉を煮込んだり、揚げ物の衣を溶いたり、ソースのベースにしたりと様々な料理に使われます。また、ビールを醸造するときにいろいろな香辛料を香り付けに使い、それらの薬効性からビールをちょっとした風邪や疲労回復時の栄養剤としてきました。そんなベルギーで支持され続け、生産量を伸ばしてきたシメイビールは、味に於いても高く評価されてきました。

この修道院で造られているビールは3種類で、ラベルの色でレッド、ホワイト、ブルーと呼ばれています。レッドはブラウン系のビールの中では柔らかな口当たりでバランスの良い味です。ベルギーのブラウンビールにはまるとどんどん濃厚な味や個性的なキャラクターを求めてしまうので、そういった人たちには物足りない味かも知れませんが、まだベルギーのブラウンエールを飲んだことのない人には、“まず、飲んでみッ”って味です。
それに比べて、ブルーはもっとフルボディーで個性があり、熟した果実を思わせる香りもあります。レッドを濃くして時間をかけて熟成させたらこんな味になるのかなあって感じでしょうか。ホワイトは他の2種類とは異なったタイプのビールで、色も比較的明るいアンバーです。フルーティーな香りで甘味もありますが、ホップの苦味もしっかりしていて引き締まった味です。ホワイト ビールと呼ばれる小麦と大麦をまぜて造られるビール(ヒューガルデンなど)と呼び方が混同しがちなので、ラベルにトリプル(比較的淡色で高アルコールのビールという意)と記載されています。

シメイビールには、レギュラーサイズ(330ml)以外に750mlの大瓶があり、ブルーには1500mlや3000mlもつくられています。大瓶はコルクで栓がしてあり、容量の大きなボトルで栓の方法も違うと熟成も変わると考えられているので、ビールの名前も変わり、レッドは“プルミエール”、ホワイトは“サンク・サン”、ブルーは“グラン・レゼルヴ”という名前になります。プルミエとかレゼルヴと言うのはワインで使われる言葉と同じで、日本でのビールの位置づけに比べると、格式がうかがえます。