the Flying Keg
World Beers


ROCHEFORT
(8/10)
ロッシュフォール
(8/10)

醸造所:ノートルダム・ド・サンレミ修道院

ベルギー南東部、ナミュール州アルデンヌのロッシュフォールという町の近くにある修道院で醸造 されているビール。
3種類のビールを造っていて、それぞれ固有名詞ではなく単に「6」「8」「10」と表しています。 日本に輸入されているのは「8」と「10」で、ラベルの中央下に、グリーンに白抜きで「8」、ネ イビーブルーで「10」と記されており、王冠にも同様の配色がされています。(ちなみに「6」は赤色) ベルギー国内では、紙のラベルを貼らずボトルにロゴが直接印刷された、俗に言うプリント瓶 (メキシコのコロナやジャマイカのレッドストライプと同じスタイル)で流通しており、その場合 には王冠でどのビールなのかを見分けます。

日本に輸入されている紙ラベルタイプのものも、プリント瓶の上から紙ラベルが貼られていて、時々 ラベルを貼る位置がズレていて、ボトルのプリントがラベルの横からはみ出しているものもあります。 僕はこういったものを見つけると「やっぱベルギーやな・・・」と、変なところにベルギーらしさ を感じてしまいます。
ロッシュフォールに限らずベルギーのビールでは、ラベルが上下逆さまに貼られたものもありましたし、 ネックラベルやバックラベルのないもの(もともとないビールも多いのですが・・・)、ラベル が3枚重なって貼られていたものもありました。 1ケースのうち約1/3がラベル無しだったこともあり、さすがにこの時はムッと来ました。 どうして箱詰めするときに気がつかないものかと不思議にすら思います。 箱詰めといえば、箱の中に“仕切り”をつけない醸造所も結構あり、商品が届いて箱をあけて「よくぞ ご無事で・・・」と以前は感心することもありましたが、最近ではもう慣れてしまいました。

まあ、グチはこのぐらいにしてビールの説明に戻ると、そもそも「6」「8」「10」というのは麦汁 の初期比重(発酵前の麦汁の濃さを比重で表したもの)を昔のベルギーの単位で表したもので、「6 」は比重1.060、「8」は1.080、「10」は1.100。
西フランダースのトラピストビール、ウェストフレテレンも同じように麦汁の初期比重でビールを 区別します。 “デュベル”で有名な、アントワープ州の南にあるモルトガット醸造所で造られている“マレッツ” にも「6」「8」「10」がありますが、これは単にアルコール度数を表しているものです。

ロッシュフォール「8」は、アルコール度数9.2%で褐色、泡立ちは「10」に比べやや荒いですが中庸。 ベルギーのブラウンエールの中では甘味は抑えめで、熟成したフルーツの柔らかな香りが少し感じら れるバランスのとれた味です。
ロッシュフォール「10」は、アルコール度数11.3%でかなり深い褐色。味は「8」をもっと濃くして熟 成させた感じで、クリーミーな泡。香りは複雑で、熟して木からから落ちた果実が地べたで香りを放 っているような、フレッシュじゃなくこってりとしたフルーツ香、口に残る香りには日本の味噌や納 豆に通じる何かを感じます。味のボディーもとてもしっかりしたもので、誰もが初めて飲んでおいしい と思えるものではないですが、濃厚なベルギーエールに慣れると感激する味です。
ロッシュフォール「10」にハマった人が、来店していきなりこれをオーダーし、飲み干してから 「次、何飲みましょ?」と相談されても困ります。仕上げの1本としてあじわっていただきたい ビールです。